先日、とても素敵なオーダーをいただきました。
さらに嬉しいことに着用したお写真までお送りいただけ、それらの掲載につきましてもご快諾をいただけたため、制作の様子などを含めて記事にしてみました。
いままでいただいたオーダー作品はわたし自身が写真に残していなかったり、「自分だけのものでありたい」というお客様のお優しい思いもあり、記録できなかったこともあったので、今回を機に、ご理解やご協力をいただけたオーダー作品のみ、お写真や文字として残していけたらと思っています。
お客様の大切な思いを無断で掲載することは決してありません。その点のみご理解ください。
The Process of Creating a Work, Part 1
さて、アクセサリーをお仕立てする…とざっくりとはいうものの、どんな過程なのか。
今回は…
- ブレスレット(ゴムではない)
- 3種類の誕生石を使いたい
- 揃いのデザインで3本
- お肌に優しい
…という具体的なオーダーをいただけたので、手元にある天然石をお見せして、誕生石以外の天然石をご本人様にお選びいただくことも出来ました。
まず、誕生石。
諸説はありますが、大きく異なることはないので、ご本人様からのご提案を何よりも第一に、ほか、メジャーな情報からの選択もご提案させていただきました。
ブレスレット三本のうちの一本のご希望に「真珠」があったのですが、お祝いのお席などで真珠のネックレスを身に着けられたことがある方はご存じかと思うのですが、着用後に軽くふき取り、専用のケースにしまいますよね。真珠は、貝の中で作られます。なにかしらの核となる物質に、貝の内側の輝きが長年をかけて「層」となったものが、あの独特の美しさなのですが、いわゆる天然石、「石」とは違い、とても繊細な素材です。汗や水に弱く、お手入れを入念にしていても、長時間の着用や、長年輝きを保つのが難しい素材でもあります。
そこで同じ誕生月であっても、諸説あるうちのもうひとつのメジャーな天然石を挙げ、ご紹介したところ、そちらは真珠とはまた異なる輝きの美しい天然石だったこともあり、ご快諾いただけました。
三本のブレスレットの誕生石すべてと、そのほかを彩るご希望の天然石が揃いました。
The Process of Creating a Work, Part 2
ゴムブレスレットではない「ブレスレット」はどう仕立てるのかといいますと、わたしは「メガネ留め」という、金属のワイヤー(針金)をねじって天然石(素材)を留める手法が得意なことと、また見ばえも私個人としては好きなため、メガネ留めで天然石を繋げることにしました。
制作の第一歩は、長い長いワイヤーを切り、この輪っかとねじねじを作ることから始まります。基本的に、アクセサリー用の細いペンチと丸ペンチ、ニッパーで仕立てていきます。

「お肌に優しい」というオーダーも取り入れて、今回はサージカルステンレス316という医療用にも使われる、金属の中でも比較的お肌に優しい素材のワイヤーまたパーツを使用することにしました。※金属アレルギーは個人差があるため「絶対にアレルギーが出ない金属」というものは存在しないため、医療用(口腔内金属やお医者様の使われる医療用器具など)のステンレスを使用しました。
The Process of Creating a Work, Part 3

まず、写真の真ん中の天然石をメガネ留めで留め、左右に展開していきます。
左右の天然石はワイヤーをひと巻きして、ささやかにおめかしをしました。
どんどんつなげていきます。このワイヤー、0.6mmと細く見えますが、実のところ、とても「硬い」んです。切るもねじるも力が要ります。その甲斐もあって、ちょっとやそっとでは変形しにくい利点もあります。

この「メガネ留め」は多くのアクセサリー作家さま方にも愛されていて、メジャーな手法ではありますが、ほんのひと手間ふた手間「とても大切なこと」があります。
写真にある、ワイヤーのぐるぐるとした巻き終わり部位、あらかじめワイヤーはカットしておいたり、作業の都度、適宜カットしたりするのですが、その際に必ず水平、平らにに切り、また切り口が「鋭利にはならないよう」に留意することと、その巻き終わり部位が衣類などにひっかからないように、「内側に向けしっかりと押さえつける」こと、です。
これを繰り返し、ひとつひとつの石を丁寧に留め、つなげていきます。

形になりました。
あとはサージカルステンレス316製の留め具をつけます(そのため最後は巻き切りません)。
The Process of Creating a Work, Part 4

ここでアジャスター(ブレスレットの長さ調節のためのゆとりをもたせた部位)の先に、天然石の中でも一番質のよい、いわゆる「宝石」と呼ばれる石をチャーム(飾り)としてつけることにしました。
この台座は、この宝石にぴたりと合うために業者さまに仕立てていただいたので、この台座(石座といわれます)のみsilver925製です。どれくらいの大きさかというと、宝石の大きさが4mm(おおよそ0.2ct超です)です。その宝石を石座の上に乗せるだけでは留まらないため、四方の柱のように見える「爪」を内側にそっと押し曲げて、宝石を包んで留めます。

三種類の誕生石が揃いました、とても愛らしいですね。まだ石座はかしめていません、宝石は乗っているだけです。
The Process of Creating a Work, Part 5

宝石もしっかりと留め、アジャスターもつけました、またサージカルステンレス316製である刻印も入っています。
ネックレスなどを装着される際にご経験された方も多いかと思うのですが、「○」や「C」のような形をした、引き輪・カニカンといった、輪っかやチェーン相手に「引っ掛けて留めるパーツ」、自身の爪が長くても短くても、留めづらいですよね。わたし自身が特にブレスレットの装着が得意ではないので、今回はスライドボールという、その名の通り、ボールをスライドさせて長さ調節をする、これもまたサージカルステンレス316製のパーツを使用しました。
無事、三本、仕立て上がりました。
この後、細部まで拭き上げをして、細かい部分をチェックして、お渡しできる状態にします。
いままでの写真は作業台の上なため、あまり見ばえはよくないので、撮影をします。
The Process of Creating a Work, Part 6

Galleryにも、今回の作品を掲載させていただいているので、ご覧いただければ幸いです。
お休みにもかかわらず、撮影などすべてにおいてご協力くださりました、trattoria Mon GATTO様、ありがとうございました。※Linksにご案内があります
この後、三本をそれぞれお箱に入れ、それぞれに天然石の名前、資材の材質(サージカルステンレス316やsilver925)を記して、お取り扱い説明書などと共にお渡ししました。
Finally…
本日、本当に嬉しいことに、オーダーをくださった方から、着用したお写真をいただき、また掲載につきましてもご快諾をいただけました。とても貴重な機会をありがとうございました。実は作品を制作している間はずっと手元で見ているものの、作品を「身に着けていただいているところ」、意外と見られないものなんです。

とても愛らしいお三方が着用してくださっていて、思わず笑みがこぼれました。アクセサリーは着用していただいてこそ輝けるものなので、制作中はあくまで「物」なのですが、着用していただけると途端にその方を彩るための「装飾品、アクセサリー」になるんです。
この度は素敵なオーダーをありがとうございました。また、掲載のご許可にも感謝しております。
これからもひとつひとつ、オーダーをくださった、またご購入くださった方々の大切なものになれるよう、丁寧に丁寧に制作していきたいと思います。
Citta
The process of creating a custom-made bracelet is documented here. As the article has become rather lengthy, it is difficult to translate in its entirety; we hope you will enjoy viewing the photographs instead. Thank you.
